伝統文化と生きる -門出佳大さん-

北広島町には、この地の伝統文化「神楽(かぐら)」があります。
この神楽がきっかけで、移住された映像作家 門出佳大(もんで よしひろ)さんにお話を伺いました。

移住のきっかけは?

もともと母の実家が大朝で、小さい頃から神楽を見るのが大好きだったんです。親戚も神楽団に所属していて「いつか自分もやりたい」と思いながら少年時代を過ごしました。大人になってからは世羅町に住んでいたのですが、親戚から”神楽団も高齢化が進んで後継者が少なくなってきている”という話を聞いて「なにか自分が助けになれるなら」と郷之崎神楽団へ入団しました。それから2年間は片道1時間半かけて大朝まで通っていたのですが、当時は通うだけでは物足りず、どうしても大朝に住みたいという気持ちがあって。神楽活動を通じて、ますます大朝の事が好きになっていたんだと思います。そして、2008年、栗栖建設の森田さんに物件を仲介してもらって、移住を決めたんです。

現在のお仕事は?

私は高校時代から映像をつくるのが好きだったんですが、世羅町に住んでいた時は映像とは関係のない会社員をしていました。神楽団・消防団に所属して地元の方とプライベートでの交流が深まると、地元企業さんや神楽団の方からPR動画の制作をお願いされるようになって。それなら趣味を本業にしてみよう、と2018年に映像制作の会社を立ち上げたんです。
今では大好きな神楽を舞うだけでなく、神楽を多くの方に知ってもらうためのPR動画の制作を中心に暮らしが成り立っています。コロナウィルスの影響で会場でのイベントは少なくなりましたが、Youtubeやライブ配信に切り替えることで、新たな仕事の依頼も来るようになりました。この地は人との繋がりが濃くて、人づてで仕事を紹介して頂ける事も多い。企業さんからの仕事も増えてきています。


[△ 門出さんが制作された神楽の告知PV]

[△ 門出さんが制作された地元のお祭り わさまちPV]

北広島ではどんな所にお住まいですか?

住み始めた家は、新庄という地域にあります。築60年の納屋付き2階建てでした。大きな家で1階は状態が良かったのですが、2階は雨漏りして傷みがひどく、使えない状態でした。一人暮らしにはこれでも十分でしたが、結婚を機に悪くなった部分を改修し、余計な部屋も取り壊してすっきりさせることにしたんです。健利さん(当社代表)とは、神楽団、消防団を通じて引っ越してきた当初からお世話になっていましたが、改修工事を健利さんにお願いするキッカケになったのは、商工会青年部に入っての付き合いでした。青年部は同じ世代の集まりであり、地域をよくしたいという志を持ってる人ばかりで、その存在を知ってからずっと憧れていました。入部してからは皆さんにかわいがってもらってますが、特に健利さんには本当にお世話になって、その考え方や姿勢にはいつも敬服しています。人となりも知っているし、信頼しているので、安心してお願いすることができました。完成するのが楽しみです。(2021秋 改修工事完了 予定)

北広島の魅力は?

こういった田舎にありがちな「自然豊か」「空気がきれい」「星がよく見える」はもちろんですが、なんといってもこの町の魅力は「人」だと思います。とにかく熱い人が多い!移住者の方も多く、外からの新鮮な考えと元々の熱い思いとが合わさって、いろんな相乗効果を生んでいます。「地域を大事に思うこと」「生きるということの面白さ」。大げさかもしれませんが、こちらに来てたくさん大事な事を学ばせて頂きました。そしてそのご恩を「映像」という今までこの地域になかった特技で、町の活性化に微力ながら貢献してお返ししていきたいと活動しています。

ちなみに、妻は広島市西区から嫁いできたので、当初は夜静かなのに驚いていましたが、玄関を開けたら蛍が飛んでいるような自然と近い暮らしに慣れてきてくれました。妻も職場に来られる常連さんとも仲良くなって、今は2人と猫たちと、この地で居心地よく暮らしています。


門出佳大(もんで よしひろ )さんプロフィール


映像制作 [うえひろやスタジオ] 代表。
2008年 広島県世羅町から北広島町新庄に移住。
郷之崎神楽団所属。
NPO法人広島神楽芸術研究所の研究員でもある。猫好き。

関連記事

PAGE TOP